高級賃貸といえば、まず思い出されるのは「デザイナーズマンション」だ。

でも、「デザイナーズマンション」って何だろう？

いつの間にか使われ始め、今や一般に浸透したこの言葉。その定義は何か、というとネットで検索してみても分からなかった人が多いはず。

確かに、建築家、設計士の皆さんは基本的にみんな「デザイナー」であって、この世の建築物は全部「デザイナーズ○○○」であっていいはずなのに、必ずしもそう呼ばれるわけではない。

その謎を紐解くカギとして、スキマスイッチさんの曲「デザイナーズマンション」を聴いてみよう。

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……？

イマイチ分かりにくいので、文字で追ってみる。

「玄関は広くフルフラットのアメリカンスタイルで
高い天井と濃いダークブラウンのフローリング・リビングルーム
13畳ほどのダイニングにウォルナットのテーブル
窓はわりと大きめで、日当たりも悪くない
代官山に住もう！ 立地もいいデザイナーズマンション
幹線沿いじゃ爆音 静かな高層階がいいの」

……？ 確かに代官山には住んでみたいし、こんなマンションで暮らせたら理想的だ。

とはいえ、動画を見ても「いかしたR&B」だということは理解できるものの、歌詞はデザイナーズマンションの情景を綴っているにすぎないのでは？

しかし考えてみる。男は「考える生き物」で、女は「感じる生き物」だ。

前回のコラムに立ち返ってみれば、「高級感」とは人によって異なるわけで、その「高級感」の代表的存在であるデザイナーズマンションに、定義など存在しないのかもしれない。

一般的に木造建築が人の心を落ち着かせると言われるが、コンクリートの壁に囲まれたほうが暮らしやすい、あるいは「カッコイイ」と思う人もいたりする。

合コンで女性に「どんなマンションに住んでいるの？」と聞かれ、「デザイナーズマンション」と答えて「カッコイイ！」という煽て言葉に恍惚となる男どもも多いはず。

結局、ものの価値感など“人それぞれ”だ。その価値観を生み出すのは、個人の「こだわり」でしかないし、男ならそのこだわりの原点は、やはり「カッコイイ」という生き様に他ならない。「カッコイイ」ことにこだわることこそ男の、しかも“肉食系男子”の生き方だ。

スキマスイッチさんが訴えたいことが、そんなカッコ良さであったとしたら、スキマスイッチというユニットこそがカッコ良い、と思う。

やはりデザイナーズマンションも、男の生き様なのである。

ライター　亀池聖二郎