師走。今まさに忘年会シーズンの真っただ中だろう。
ところが、楽しい忘年会が終わったあと、誰もいない家に一人、帰宅する……。そんな時代に訪れた昨今のペットブーム。恋人や家族がいない家で、主人の帰宅を待ってくれている可愛いペットは、この東京砂漠のオアシスだ。
もちろんペットを飼うには問題もあって、東京の住宅事情では薄い壁のアパートやマンションで夜中にペットに騒がれてもたまらないし、ゆえに一般的な集合住宅は「ペット禁止」であることが多い。
それでもペットを飼いたいという方々のために、「ペット可マンション」というものが存在する。
動物が泣いても影響のない壁や、ペットと一緒に最上階まで行くことのできるエレベーターなど、設備に費用がかかるために、ペット可マンションは高級賃貸に属する。同時にペット可マンションは、地域の発展に繋がることも否定できない。このテの住宅の周囲には必然と動物病院やペットサロンが集まり、雇用や消費など経済効果もあるようだ。
一方、ここ最近は「○○コン」ブームでもある。各市町村で『街コン』なるものを主催し、街起こしと少子化対策に取り組んでいる。また個人レベルでも、たとえばひとつのマンションに集まり、皆で料理を作り食す『家コン』なんてものも行われている。それが『ホームパーティー』と何が違うのかはさておき。
だが、こうした『○○コン』は開催場所を選ばない。どんな店でも家でも実施できる。対して『ペットコン』はペット可賃貸マンションの所有者のみに許された、いわば特権だ。
余談だが、ダウンタウンの松本人志さんが相方の浜田雅功さんのセレブぶりに関して、よくこんな表現を用いている。
「ガハハと笑いながら寿司をつまんでいる」あるいは「大きなイスに座って猫を撫でている」
我々からすれば、どう見てもセレブでしかない松本さんの“セレブ感”でも、ペットの存在がカギなのだ。
かといって、そう簡単にペットを飼うことを選択してほしくはない。ブームの影に潜む問題――あまりにも簡単にペットを飼い、あまりにも簡単にペットを捨てる。まるで動物を同じ生き物として扱わない飼い主が増えているという。
皆さんは、こんな格言を聞いたことはないだろうか。「動物に好かれる人は良い人だ」と。
男として、動物を大切にできないヤツは、女性を大切にできるはずがない。ペット可マンションに住む資格には、金銭以上に人間として、いや男としてのプライスレスな資質が問われるのだ。
ペット可マンションもまた、男の生き様なのである。

ライター 亀池聖二郎

 

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