野村不動産、三井不動産、三菱地所の共同プロジェクト物件で、しかも分譲マンションである「THE CENTER TOKYO(ザ・センター東京)」。

「分譲賃貸コラム」にもあるように、高級分譲マンションとしてもちろん設備はフル装備だ。そこでモダンスタンダードのウェブサイトに掲載されている「THE CENTER TOKYO」の共用施設を引用(という名のコピペ)してみよう。

「フロントコンシェルジュ・ゲストパーイング・ゲストルーム・スカイラウンジ・フィットネス&サウナ・茶室・キッズルーム・ベーカリーカフェ・ライブラリールーム・キッチンスタジオ・オーバルガーデン(ガーデンスペース)など」

……茶室!? もちろん洋風のティールームではない。ラウンジは別にある。バーでもなく、まさに「茶室」である。
さすがの高級賃貸マンションでも、茶室が備わっている物件はなかなか聞かない。

茶室の設計は非常に難しいとされる。
四畳か八畳といった茶室自体の広さや、水屋、踊り口などサイズの規定があり、その中で造りに芸術性が求められるのだから、茶室の設計には専門家が必要なのだ。
しかし、それが日本的芸術の極みといえる。

あくまで一般論だが、自由度が高いためにより自由なセンスを求められる欧米のアートに対し、日本芸術では独特の「わびさび」に基づいたルール・規定という枠の中で、どれだけ個性を発揮できるかが勝負となることが多い。
茶道と茶室は、そんな日本芸術の究極の形。というよりも日本芸術のイメージは茶道と茶室が作り上げたといっても過言ではないだろう。

加えて、「THE CENTER TOKYO」がそびえ立っているのは、江戸幕府の徳川御三家のひとつ、尾張徳川家の上谷屋敷跡地だ。

紀州、水戸と並び徳川御三家と呼ばれる尾張藩。御三家は江戸幕府の中でも最高位にあり、江戸の本筋に後継ぎが生まれなければ、まず御三家の中から尾張藩より次の将軍が選ばれる取り決めがあったほど、諸藩の筆頭という地位にあった。

しかしながら政争の末、紀州家は8代将軍・吉宗(暴れん坊将軍)、水戸家は15代(徳川幕府最後の)将軍・慶喜を輩出したが、尾張家からは遂に将軍の地位に就くことがなかったという歴史を持つ。
それゆえに明治維新では、反幕府:官軍として日本の歴史上最大の革命に貢献している。

時代の波に飲まれながら確たる自己を貫き通した尾張徳川家ゆかりの地に、日本芸術の極みである茶室を備えた、現代ニッポンを代表する高級賃貸マンション。

日本男児なら、「THE CENTER TOKYO」で大和魂を極めよう。

 

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